“手軽、簡単、安い” KPT法で振り返りをしよう

こんにちは。HumanCrestの津久井です。

今回は皆さんもきっと忙しい毎日の中に行っているであろう”振り返り”のお話です。
この振り返るという行為は我々QAのみならず、仕事を進めていく上で絶対にやったほうがよい事です。
本日は振り返りを行うタイミングと、振り返る時の手法の一例などについてお話しさせて頂きます。
すでに実践されている方は、退屈な内容になってしまうかもしれません。
その点はご了承ください。

◼︎いつ振り返るの?
脊髄反射的に『今でしょ!』っと言いたくなりますが、何かが終わりを迎えた時、または終わりを迎えそうな時が振り返り時です。
ただ、1年に1回や、半年に1回というのはちょっと期間が空きすぎかもしれません。
せっかく振り返りを行っても、細かな事を忘れてしまっていたり、起きた問題が、新たに起きた問題で上書きされていたりするためです。
何事も記憶が鮮明なうちに行ったほうがいいですね。
何より思い出すために頭をひねらなくて良いので楽です!

◼︎振り返りを行うのにオススメな手法はあるの?
オススメというには私自身、まだまだ色々試してからでないとモノは言えませんが、
今のところしっくりきていて、わかりやすく、何より手軽に行えて、コスト面でも、身の回りにあるもので出来るKPT法が個人的にオススメです。

今まで携わったお客様もKPT法を使用されていることが多かったです。

ネットで「KPT法とは」などで検索していただければ数々の説明や効果などが出てきますので、ここでの説明は簡単に済まさせていただきます。

【Keep/Problem/Tryの化した文字を取って”KPT”】
・Keepとは・・・効果があり、今後も継続して行っていきたいこと
・Problemとは・・・問題があったり、効果的ではなかったこと
・Try・・・次に挑戦したいこと

また、KPT法でもいろいろなツールが世の中にありますが、僕はExcelで手軽に済ませています。
KPT法のイメージがつかない方向けに僕が個人的に使用しているKPTシートを載せておきます。

KPT

は??
何これ??
手抜き??

そうなんです!
これくらい手軽に出来るのです!
ご存じの方からすると、わざわざ画面キャプチャを取るほどのものでは無いだろ!!っと言われてしまうくらい手軽なのです。
大事なのは振り返り内容と、振り返りを次回に活かすこと。
そして、次回の振り返りで前回の振り返り内容もすぐに確認出来ることです。
ちなみに、ホワイトボードと付箋を使ったりするのもオススメです。

◼︎どのように振り返るの?
同じProjectに携わったメンバーが集まって、困ったことや苦労したこと、逆に効果的だった事などをシェアしあいます。
基本的にはプロセスに対してですが、僕は人や役割にフォーカスを当てたりもします。
個人的に苦労した話なども出してもらいます。
また、適任がいるのであればファシリテーターは、業務に直接関わっていない人のほうが良いかと思います。
業務に携わった人だけで行うと、「大変だったねぇ」という苦労話で盛り上がってしまったり、直近で対応していた問題ばかりで
全体を俯瞰で見れないまま振り返りの貴重な時間が終わってしまうかもしれません。

◼︎振り返りを行う時の注意点
僕が考える注意点はこんな感じです。
振り返り開催準備から開催後までで、注意していることを並べてみました。
・振り返りを行う日時は事前に伝える
・振り返りの時間は1時間
・Problemから考える(議論する)
・Keep/Tryするものを明確にして振り返りを終わる(誰が、いつ、どのように行うのかなどをあらかじめ決めて、あやふやで終わらない)
・内容をドキュメント化してシェアする(ホワイトボードであれば写真でも読めればOKだと思います)
・次回の振り返りでどれだけ成果が出せたかも振り返る
・振り返り以外のことに時間を使わない
・振り返りに参加したメンバー全員で行う(数人でどんどん進めない)
・QAや開発など、部署の枠にとらわれずに行う

あと、Tryに掲げる内容と数には気をつけています。
あまりにもTryが多くなりすぎると、それこそTryしきれなくなるので、振り返りのサイクルにもよりますが3~4個くらいを目安にしています。
また、Tryの内容が、かなり広範囲に関わることであったり、すぐには達成出来ない場合には、そのTryの内容を細分化し、
まず始められることは何かを考えて、残りは次のステップに行うTryとしてメモしておきます。
Tryの中でのpriorityに関しては、より大きな効果が期待できるものを優先的に実施するようにもしています。

◼︎振り返ることで何が幸せか
振り返る事自体も大事ですが、当たり前ですが振り返っただけでは何も生まれません。
振り返る事で、この先同じ失敗や困難が起きないための対策を検討し、実践することに意味があります。
そして、実践した結果をもとにまた振り返り、調整をしながら前回よりも今回、
今回よりも次回が良くなるように改善のサイクルを回せるようになれば幸せが待っています!
サイクルが業務の中で定着すれば、どんどん改善が生まれていくはずです。

1度乗り越えた苦労は、2度目以降は苦労しない!
大変だったことは、次回から楽できるようにする!
そして、これから起きるであろう新たな問題などに対応できる時間を生み出す!

今、私が携わっているprojectでも、sprint毎に振り返りを行っており、
業務の効率化やプロセスの改善につながることを、振り返りで作成されたKPTシートの中から見出し、
実際にTryとKeepを行っているため、効果が出ていると日々実感しております。
もちろんTryしたことから想定していた効果が得られなかったり、
逆に改悪の危険性が感じ取れたらすぐに軌道修正して再Try。

また、これは個人的に意識して行っていることなのですが、日頃からProblemに記載できそうなことはメモし、
Keepしたほうが良いとおもったことや、Tryすべきことがひらめいた時などもメモをし、
常日頃から小さな気付きを残すようにしています。
思った時、強く感じた時にメモしておくことで、詳細な内容を残すことが出来るため、非常に効果的です。

そして、振り返りで上記でメモしてきたことを、メンバー全員で議論し、次回のsprintで活かす。
次のsprintで改善される一面と、新たな問題が発生する。振り返りを行う。
この繰り返し!!

日々の業務に追われて、振り返りの1時間すら惜しいという状況も少なくないと思いますが、
そこは計画に無理矢理にでもねじ込み、振り返りを実施することをオススメします!

物事が良くなっていくというのは、とてもポジティブな事ですし、何よりなんだか楽しくなるはずです!
KPT法を試されたことが無いようであれば、”手軽” “簡単” “安い” KPT法を是非とも試してみてください。
とてもオススメです。

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