若手~中堅どころを対象とした本連載。
今回は、意外と中堅どころにも知られていない(※私調べ)QCDについてです。
牛丼と高級フレンチのQCD
QCDとは、製造業において重視すべき基本的要素のことで、
以下の3つの単語の頭文字から成り立ってます。
Quality(品質):プロダクトの品質
Cost(コスト):プロダクトを提供するためにかかるコスト。
Delivery(納期):プロダクトの納期
若い方はご存知ないかと思いますが、
私が小学生の頃、キン肉マンというテレビアニメで「牛丼一筋300年♪ 早いの美味いの安いの〜♪」といった曲が流行りました。
某有名牛丼チェーンを意識した「牛丼音頭」という曲なのですが、
この「早いの(納期)」「美味いの(品質)」「安いの(コスト)」こそがQCDです。(順番違うけど)
Q(品質)をなるべく高くして、C(コスト)をおさえて、D(納期)を早くする。
牛丼チェーンはこの絶妙なQCDバランスを意識した戦略で、今でもお客さんのニーズを掴んでいます。
高Quality、低Cost、短Delivery。
これが牛丼のQCDですね。
かたや高級料理の代表格フレンチはどうでしょう。
良い味、良い雰囲気などを提供するためには、コストも時間も二の次です。
結果、高Quality、高Cost、長Deliveryといったバランスになる事が考えられます。
このようにQCDは、
「ユーザが求めている事は何か」「ユーザのために提供すべきものは何か」
によってそのバランスは変わってきます。
ソフトウェアにおけるQCD
もう少し皆さんの業務、すなわちテストの話に寄せた話をしてみます。
テストする対象がWEBサービスの場合、
リリース後に不具合があってもサーバー側で対応することが可能なため、
最低限の品質を確保し(低Q)、早く(短D)、人もお金もかけずに(低C)、
世に出すというスタンスをとる事が多いです。
かたや家電や自動車のような、
一度世にでてしまうと故障時の修復コストが大きいものなどは、
DとCを多少犠牲にしてでもQを高める事が重要になってきます。
業務にQCDの視点を
皆さんがテストしているプロダクトは、
どのようなQCDバランスであるのがふさわしいと思いますか?
テストという作業を、仕様通り/テストケース通りに動作する事の確認に留めず、
QCDの視点を意識して取り組んでみると、一歩踏み込んだ仕事ができるかもしれませんね。