スタートアップにおける品質

QUALITYFORSTARTUP

こんにちわ。GaiaX 技術開発部QAチームの境野(@sakaimo)です。

弊社では去年から新規事業を起こしていこうという流れがあります。
新規事業と品質について考えたことがあるので書いてみました。

リーン・スタートアップの本の中に下記のような記述があります。

誰が顧客なのかがわからなければ、何が品質なのかもわからない。

何年も続いている既存事業に関しては一定の顧客が存在していて、どんなニーズがあるかが見えていると思いますが、これから始める新規事業に関してはターゲットを絞って事を進めないと「無駄なこと」になってしまうよなーと思います。

この本での「品質」とは「システムの完成度」だけじゃなく、「サービス全体が顧客に提供するモノ・コト」の質です(たぶん)。 そうなってくると、これまで弊社のQAチームがやっている「システムの完成度を上げるための活動(主にテスティング)」ではニーズの一部しかカバーできていないことになります。

システムの完成度「以外」の質(サービス全体が顧客に提供するモノ・コト)、ってなんだろう。

1つは「スピード」だと思います。
これまでの品質を保ちつつも短期で成果を出す、あるいは(これまでと比較して)品質を下げてでもスピードを優先する。こう書くと「手を抜く」というイメージになってしまいますが、「顧客を定義する」ことで、必要な品質のスコープ?レベル?を決める、ということかと思いました。
例えば顧客がアーリーアダプターであれば、多少バグがあったとしても今まで世の中になかった新サービスを早く体験できる事のほうがサービスに価値を感じてもらえます。その人に刺さるサービスかどうかのほうが重要な要素になります。
(スピード重視の際に「技術を使ってQAする」ってことができるとスマートだと思うのですが、開発者とQAとの技術スキルの差は大きく、なかなか実現できていません)

もう1つは「顧客に価値を提供できているのか」だと思います。
「価値=品質」というのはイメージしにくいですが「すげーテストしてバグ1つ無いのに使われないシステム」は価値が無いですよね。作ったものをテストするのに加えて、それが顧客に価値を提供できているのかも検証する、というのはこれまでの(弊社の)QAには無かった要素です。

それを検証するのに必要なスキルは、「何をもって価値とするのか、それをどうやって測定するのか」など「リーン・スタートアップ」にある仮説検証サイクルを理解し、回せるようになることかと思います。そしてこれらはこれまではビジネスサイド(と呼ばれる主に営業の人たち)がメインで関わっていたことです。

スタートアップにおいてはこの考え方やスキルは事業に関わる全員が持っているべきですよね、もちょっとちゃんと勉強します、はい。

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