みなさんこんにちは、HC原です。
前回5月9日の投稿に引き続き、スマートフォンテストの実施について書きたいと思います。
各キャリアから発表された新機種は、ほぼ全機種クアッドコアCPU搭載でAndroid4.2(Jelly Bean)を採用しています。
機種自体も絞り込まれて、昨シーズンまでのこれでもかと並び立てたようなワイドバリエーションとは、違った展開となっています。
Android4.2は、コードネームもJelly Beanが継承され、4.1の熟成バージョンと言えるもので、今シーズンの機種は一様に初期障害が少ないようです。
私が勤めている現場でも、新機種検証を行なっていますが、表示系の微調整で対応できる軽い不具合程度で、取り立てて大きな不具合の情報は聞こえてきていません。
それでは、前回、話をしていたターゲットとしているユーザ像に着目した検証端末の選定のお話です。
F1,F2と呼ぶ若い女性をターゲットにしたサービスやアプリの場合、何故解像度の多様性に着目するのかですが、最近この層の女性が使っているスマートフォンは大きめのものが目立ってきています。
以前のように見た目の可愛さだけで選ぶのではなく、利用シーンや使い勝手を考えて選ぶ人が増えてきているようです。
理由1 女性は男性と違い、シャツの胸や上着のポケットにしまうことはなくバッグにしまうためサイズの制約が少ない。
理由2 女性は手が小さく一般的なサイズ(画面サイズ4.3~4.5インチ、最近確実に大きくなっていますが)のスマートフォンでも片手で操作するのは難しい為、両手で使いやすいものを選択している。
理由3 若い女性は、爪を伸ばしているため、指の腹で画面をタッチする人が多いようです。ボタンのサイズが小さいとミスタッチしやすいため、大きめの画面又はスタイラスペンが付いた機種という選択肢が考えられる。
このため、見た目の可愛らしい、メーカーが女性向けとして仕立てた機種と画面の大きなFull HDの高スペック端末が選択肢となり、必然的に画面解像度は両極端に分散することになるからです。
つぎにシニア層向けのサービスやアプリケーションの場合、タブレットを検証ターゲットにするということですが、シニア層は総じて細かな文字は苦手です。昨年はKindle Fire HDやNexus 7、iPad miniなど手頃な値段の7インチサイズが売りだされたことでタブレットがたいへん身近になりました。また、メーカーや量販店、通販大手などが戦略的にシニア層をターゲットにしたセールスを行なっていることもあってか、観光スポットでタブレット片手に散策している年配のグループを多く見かけるようになってきています。
これを裏付けるものとして、先頃発表された総務省の「平成24年通信利用動向調査」があります。2012年末の50歳代のスマートフォンからのネット利用率は20.9%(前年9.3%)、タブレットからのネット利用率は7.2%(前年2.8%)と共に2倍以上の大幅な伸びを示しています。スマートフォンとタブレットの比率は20代から60代へ、年代が上がるにつれて高くなる傾向を示しており50歳代は25.6%です。この傾向はここ暫く続くのではないでしょうか。
そうそう、タブレットの場合、横長画面で使用する場合も多いので、画面をローテーションして使い勝手に問題ないかのチェックもお忘れなく。
皆さんの想像された理由と同じだったでしょうか。このように利用シーンを考えて端末を選定することが、そのサービスやアプリケーションの実質的テストカバレージを上げることにつながってきます。
次回は、問題が起きやすい端末を考えてみようと思っています。皆さんの経験された端末固有の不具合の情報などいただけましたら合わせて考察してみたいと思いますのでよろしくお願いします。